「で、オレが江角 慎之介《えすみ しんのすけ》っつーの」


水色の髪の男の子が自分を指差しながら言った。


名字が江角って事は………車販売のトップの……


「江角自動車店の、御曹司―――?」


今度は李子がポソッと言うと“当ったりーー♪”と元気に返された。


マジで!?


「じゃあアナタは………」


私と李子の目は、どちらもメガネの男の子に向いていた。


残った1人の黒縁メガネが、キランと光る。


「オレは篠巻 利晴《しのまき としはる》っていうの。どうぞよろしく」


「篠巻って、あの高級家具のっ!?」