“男嫌い”だからって転校して、大事な親友と離ればなれになるなんて、こっちの方が嫌だ。


だから小学校だって頑張って卒業まで通ったんだし……


「――――…一緒に高校生になろうね?美名」


李子が遠慮がちに私に笑いかけた。


「………うん………」


頭をナデナデされ、2人で教室に向かう。


体育館から出て来た生徒が扉を開ける度、未だに騒いでいるお嬢様の声が届いた。


私も気力があったら、騒ぎたいよ……







…………この時、私はこれから更にとんでもない事態に巻き込まれるとは


夢にも思いませんでした。