慎之介が不思議がるも、何も返さない。


取って貰ったステーキを小さく切りながら、チラッと洋夢を見た。


さっきの人とは挨拶し終えたらしく、美名の元へ駆け寄る洋夢。


仲睦まじい雰囲気が漂っていて、安堵の笑みが零れた。


美名………


6年前の事は思い出さなくていいし、オレから言うとか女々しい事もしない。


その代わり、洋夢ときちんと幸せになれよ?


ならねぇと、オレと慎之介が認めたのムダになっちまうからな。


まっ、ならなかったら、ならなかったらで――――…


…………コレ以上は、黙っていましょっか。




利晴Side 終わり