「ならいいや。幸せじゃないなら洋夢の事思いっきり罵れたんだけど、幸せならな……」


オレには何も言えない。


何をする事も出来ない。


唯一出来る事があるとしたら、美名と洋夢がずっとうまく行きます様に祈る事だけだ。


「利晴……」


未だに少し赤い顔で名前を呼ばれるが、美名の目を見れない。


ハハッ……オレもまだまだ未熟者だな。


「あーー、慎之介。そこにあるステーキ取ってくれねぇ?」


オレは美名の声に気づかなかったフリをして、慎之介に頼んだ。


「ステーキ?利晴肉食うのかよ?魚派なのに、珍しいな」