推理小説を数ページ読み進めていると、車が止まった。


谷内はいつもスマートに停車してくれる、優秀な運転手だ。


運転終わりに私が出るドアを開けてくれる早さも、運転手の中ではピカイチ!


「行ってらっしゃいませ、お嬢様」


恭しく頭を下げる谷内にお礼を言って、私は校舎に繋がるなっがーーい道を歩いた。


一条グループ令嬢としてバカデカイ屋敷に15年住んでるけど……校門から校舎までこんなに遠くする必要、無いでしょう!!


「あーーー…意味が分からないわ……」


空を見上げながら呟いた。


いい天気だなぁ…………