凛兎学園と時色学園……つまり凛色学園になって初めての、夏休みが始まった。


あちらこちらでセミが鳴き、子供達は賑やかに走り回る。


私も小さい頃走りたかったのに、執事やメイドに止められて、つまらなかったなぁ………


「美名お嬢様、お出かけでいらっしゃいますか?」


私がクツを履いて外に出ようとしていたら、谷内がやって来た。


「ああ、うん。ちょっと出かけて来るわね」


「でしたらお車をご用意致しますが………」


キッチリネクタイを締めてる谷内に、首を横に振った。


「いいわ、歩いて行くから。ありがとう谷内」