好きになんかなるハズ無い!!

バクバクいってる心臓を擦りながら、洋夢に引っ張られる私。


「慎之介、口に生クリーム付いてるぞ」


“早く言えよ!”と怒る慎之介を楽にかわした洋夢が、握っていた私の手を離した。


「あ………」


物足りなさが残る。


もっと手……握ってて貰いたかったなぁ………


「オイ美名?ボーーッと突っ立って、どうした?」


大吾お兄様が立ち上がり、私の顔を覗き込んだ。


ハッと半分飛んで行っていた意識が覚醒する。


「な、何でもないわよお兄様!!」


熱い頬を髪の毛で隠して、李子の隣に座った。


私、何考えてるのよ!