だけれど真正面から……は、苦手なんだ。


微妙に震え出した体を抑え様と、両手で肘を触る。


すると私が怖がっているのが分かったのか、洋夢の動きが止まった。


洋夢がくれたチワワのぬいぐるみが、ポフッとホッペに当てられる。


「ぬいぐるみとはいえ、かわいがってやってくれよ?美名」


「名前はなぁ………」


「名前なんか付けてんな、バカ」


慎之介に利晴がツッコむと、授業開始のチャイムが鳴り響いた。


3人は自分の席に座り、教科書を取り出す。


私は貰ったぬいぐるみを後ろのロッカーに置き、パパッと戻った。