は? 何故残ると?
「あたしに気使わなくていいから!」
「もともとサボる予定だったからいーよ。それにどっかの誰かさんに睡眠妨害されたから」
嫌みたっぷりの笑顔であたしを見てきた。
うぐっ。 何も言えない。
確かに大泣きした。
「あとオレのことは桐平でいいよ。普通フルネームで呼ぶ人いないから。そのかわりオレも仁香子って呼ぶから」
「…嫌」
「はーい、君にはオレへの恩義があるから逆らえませーん。拒否という決定権もありません」
「なんでよ!意味わかんない!」
あたしの怒った顔を見て隣でケラケラ笑い出したやつをみて自然と笑みがこぼれた。

