それでも俺は置いていけなかった。
『お前泣いてんのか?』
「………。」
っ!!
こいつ!!
むっかつく!!
『おい、お前聞いてんのか?こっち向けよ。』
俺は鈴の手を思いっきり引いて抱き寄せた。
フッ。これであいつも無視できまいっ!!
ってあれ?こいつなんつー顔して俺のこと見てくんだ?
真っ赤で潤んだ目にピンク色の頬、少し上気した息。
そんな顔で、しかも上目遣いしてくる。
って俺はこんなちんちくりんになに思ってんだ!?
落ち着け俺。
あっ。
『泣きやんだな』
すると鈴はしどろもどろして、焦っている。
おもしれぇ。
『ぶっ!なに顔赤くなってんだよ!!』
その言葉が引き金となり鈴は平常心を取り戻した。
それから何度俺が泣いている理由を聞いても鈴は口を割らなかった。
きっと男のことだろうと予想はついていたが。
それから鈴を帰るように促し、彼女は笑顔で帰っていった。
やべぇぞ、俺。
笑顔の鈴がどうしても可愛い。
俺はあいつのことをどう思ってんだ?
なぁ、鈴。
もし俺が
好きっつったらどうする?