私を襲って、ツンデレくん。



「な、何笑ってんですか!?てか赤くなんかなってませんし!!」



『はぁ!?何だよ、お前が泣いてると思ったから優しいこの俺様が胸かしてやったっつうのに。』





先輩はばつが悪そうに私に言った。






『つか、なんでお前泣いてんの?』



佐喜先輩の一言ハッと我にかえった。




『なーにぶっさいくな顔してんだよ。元からブサイクなのにそんな顔してたら見ていらんねえんだけど』





あぁー。むかつく!!
そーですけど!!私はブサイクですよー!!





『…彼氏と何かあったんか?』



先輩は少し遠慮ぎみに問いかけた。




「先輩には…関係ないじゃないですか?」




思い出すとまた涙が溢れそうになる。




『よしよし。』



佐喜先輩が私の頭をなでなでしてきた。



「やめてください。気持ち悪いです。セクハラで訴えますよ先輩。」





『ん。やっぱりお前は笑ってろ。お前の笑顔俺は好きだぜ?』



次はいつの間にか笑っていたみたいだ。


佐喜先輩は不思議だ。
なんだか心が暖かくなる。




佐喜先輩、本当はいい人なんだね。




「ありがと。佐喜先輩」



私は笑顔で先輩にお礼をいった。




『う、うっせ。もう分かったから帰れ。外暗くなって来てるぞ。』




「はい!じゃあさようなら。」




私は笑顔で佐喜先輩に手をふり教室をあとにした。





しかしこの時私は知らなかった。
私達をずっと見ていた人がいたことなんて。