私が一人でデレデレしているといつの間にか時雨くんは隣に座っていた。



「わっ!!時雨くんいつの間に!」


まるで忍者だよ。



『お前が一人でデレデレした顔しながらうっとりしてたところから。何妄想してんだ?気持ち悪いな。』




うっ。ひどい。私はあなたのせいであんな顔になったというのに。




「も~。いるなら言ってよ。てか気持ち悪くないし!」



『へ~。じゃ、何妄想してたんだか言って見ろよ。』



時雨くんは私に顔をグッと近づけて聞いてきた。




「いや。ほら、だからその~。」


時雨くんを妄想してた!!なんて口が裂けても言えない!

そんなこと言ったら本物の変態みたいじゃん。




『ふ~ん。俺には言えないこと妄想してたんだ?鈴はエロい子ですね。』



ちょ、時雨くんSスイッチ入っちゃってるよ。

たまにこうなるんだよね。


いやいやその前に私をエロい子にしちゃだめでしょ!!



「ち、違うもん。そんなこと考えてないもん…。」



『じゃ、どんなこと?』




あぁー。もう言っちゃえ!!



「時雨くんのこと考えてデレデレしてましたっ!!」




すると時雨くんはいきなり私から離れてそそくさと後ずさりした。



『ば、ばっかじゃねぇの!?何人に無断で妄想してんだよ!!』




あ、いつものツンデレ時雨くんに戻った。

やれやれ私も大変ですな。



「はいはい。ごめんね~。」



私が謝ったあとも時雨くんはぶつくさ何か言っていた。