「お、お邪魔しま~す。」
うわ。緊張MAX。
私はなんだか恥ずかしくて玄関でもじもじしていた。
『おい鈴?どうした?やっぱりどこか調子でも悪いのか?』
時雨くんが心配してる。
ダメダメ心配かけちゃ!!
頑張るのよ。鈴。
「ううん。なんだか時雨くんち久しぶりで妙に緊張しちゃって。」
エヘヘっと笑った。
少しわざとらしかったかな?
『な、何言ってんだよ。ばっかじゃねぇの?』
時雨くんの顔がほんのり赤かったような気がした。
「時雨くん、どうしたの?顔赤いよ?風邪?」
私が時雨くんに手を伸ばすと。
パシっ
勢いよく私の手は振り払われてしまった。
『…あ、わりぃ。…熱なんて全然ないから気にすんな。』
時雨くんは苦笑しながら私に言った。
「…うん。」
私たちの間に息詰まるような空気がほんの少し流れた気がした。

