私桜ノ宮友香(さくらのみやゆか)。16歳。

大企業の桜ノ宮グループの令嬢。

もちろん中学校はお嬢様学校。
エスカレーター式で、私はそのまま大学に進むつもりだったの。

なのに………。

『お嬢様、この良い機会。学校を変えてみてはいかがでしょうか?』

専属執事の林野涼の仕業でなぜか学校を変えることに……。

「なんでー!!!!!」

許さないわよ、林野!

私は今から入学式なの。
やけにザワザワし始める周り。

ったく騒がしいのは嫌いなのよ。
よしてくれないかしら。


『お嬢様、わたくしはこちらで失礼いたします。』
「えぇ、いいわ。また終わる頃に迎えに来てね。」

林野が離れた瞬間、周りに集まる人。

『あの!桜ノ宮グループの令嬢ですよね!可愛いなぁ…』
「握手いいかな?」

なんなの、この人たち……。
うるさいわね。

『やめろよ、寄ってたかって。恥ずかしくないのかよ。』

あの人…誰??

「橋本は話したくないの?!令嬢と!」
『別に。それにそいつ嫌がってんじゃん。』

橋本って言うんだ………。

「なによぉ…」
『恥をしれよな。』

あ、お礼言わなきゃ!

「あの!ありがとう…。」
『ん?あぁ。やっぱ思いださねーか。』
「??」
『なんでもねー。気ぃつけな。』

思い出さないってなんなのかな…?
私あの人とあったことあるかな…?