『そうだけど…なんであたしのこと知ってんの?』
「俺ん中では有名!俺に媚び売ってこない女ってことで」
『自意識過剰』
「うっせ!」


そう言って、水瀬くんは笑った。


「俺のこと知ってる?」
『そりゃ、それくらい知ってるよ。水瀬春樹くんは、女たらしで有名ですから』
「んだよそれ~」
『だって事実でしょ?』


あたしは意地悪く水瀬くんに笑う。

そんなあたしに水瀬くんは怒ることもせずに、笑いながらフェンスにもたれ掛かって座った。