すれ違う恋の行方

『やめてっ…無理だよっ…』


あたしはブンブンと首を振りながら、一歩後ろへと下がった。


これ以上、自分の中に春樹を入れたくないっ…。



『今のあたしは秀のことが好きなのっ…。
 春樹じゃない。秀のことが好きっ…』



あの日、あたしは秀の手をとってしまった。

あの温かさを受け入れてしまった。


それなのに、いまさらこの手を取れないよっ…。