すれ違う恋の行方

『あのさぁ…』

「アンタにあたしと同じ思いをさせてあげる」


あたしの言葉を遮って、ほくそ笑みながら言う北条さん。


あたしと同じ思いって…


『…どうゆうこと?』

「さぁ?」


あたしの質問に、全く答える気がないように、北条さんはそのまま化粧をし始めた。


多分このまま問い詰めても、彼女はきっと答えないだろう。


あたしはこれ以上、話していても無駄だと思い、仕方なくトイレから出た。