すれ違う恋の行方

「あ、早川!春樹は?」
『知らないっ!!』


あたしは、教室に戻ってきて早々尋ねてきた片倉に向かって言い放った。

片倉は、あたしがなんで不機嫌なのか疑問に思いながらも、これ以上触れないほうがいいと思ったらしく、去っていった。


「随分荒れてんじゃん」


ミホは苦笑しながら、あたしに言った。


『アイツ、ほんと無神経でムカつく!!』
「ははっ…」


あたしはぶつぶつと文句を言いながら、気を紛らわすために再び装飾品を作り始める。

ほんと、思い出しただけで腹が立つ!!


しばらくしたら、ガラッと教室のドアを開ける音が聞こえて


「春樹!お前、どこ行ってたんだよ!!」
「わりぃわりぃ」


と、能天気の声が聞こえた。