すれ違う恋の行方

「な…にすんのよっ!!」

『先に叩いたのはそっちでしょ?だからお返し』


あたしは北条さんを睨む。


もうあたしの中には、怖いという感情はどこにもなく
ただ冷めた思いしかなかった。


『何勘違いしてんだか知らないけどさ。
 …アンタ、バカじゃないの?』

「なっ…」

『あたしと春樹はただの友達。恋愛感情なんて、一切ないんだから』


うん…。
あたしにはもう、春樹のことを思う気持ちなんてない。


だってあたしは…



『それに』



あたしは秀の元に戻ると、そっと秀の手を握った。