「おい、白崎。」
面倒くさそうに説教を聞くあたしに呆れた顔を見せた担任は誰かの名前を呼ぶ。
…白崎、なんていた?
振り返ろうとしたその瞬間、あたしの横にスッと立ったのは…
ああ…コイツね、白崎。
「…ガリ勉じゃん。」
───バシッ
あたしの言葉にまた学級日誌がとんでくる。
「…白崎、お前、次のテストまでコイツに勉強を教えてやってもらえないか?」
「は、?」
眉間にシワを寄せるあたしを無視して担任は続ける。
「白崎は学年一位だし、全国模試の成績だっていい。…先生を助けると思って、頼む!!」
はは、先生。
あんたも馬鹿だね?
こんなガリ勉があたしなんかに勉強教えるわけないじゃん。
"塾なので無理です"
って言われるのが目に見えてる。