「もーちゃんといっぱいになったらゴミ袋替えてくださいってあれほど言ってるのにっ!」



ちっきしょうと舌打ちしながら(教授がいないからこそ出来るますがね)、ゴミを分別する私


ペットボトルだったり
燃えないゴミだったり
燃えるゴミだったりと、教授は片っ端から何でも捨てるので


私が働くようになってからは
教授にも常に分別の気持ちを養ってもらうために、ゴミ箱を分類別ごとに置くようにしたのだ



「……?」




その時、ゴミ箱の中からぐしゃぐしゃに丸められた、一通の白い封筒が見つかった


宛名はもちろん水無月愁様で

後ろには伊集院櫻子と達筆で書かれた差出人であろう、相手の名前がある




「京都……、教授の知り合いなのかな?」


最近教授の出身を知ったばかり

差出人の住所はその京都からだった




ドクン





「ダメだ!ダメだ!!」


脳裏によぎった欲望を頭を振り乱して打ち消そうとする


封は開いていて
あろう事か教授は出かけていて当分は帰ってこない




中身を見ようと思えば容易い事……だ



悪魔の囁きがぼそりと呟く