季節は三月なり
世間は卒業シーズン真っ只中



「ではちょっくら出席してきます」



講師を勤める大学の卒業式に出席するためタキシードに身を包んだ教授を

私と中村さんで見送る



「いってらっしゃーい」



その後ろ姿を見届けて抱き抱えていた中村さんを下に降ろし
早速頼まれていた掃除に取りかかる私



「やっぱ教授カッコいいなぁ。正装姿、ホント似合うんだから/////」



一人顔を赤くしながら中村さんの白い目を全く気にすることなく、ブツブツと独り言を話す



「白衣姿もいいけど。あ、普段着もオシャレだしなぁ、教授///」


ほうきを持ち床を掃きながらニヤニヤ



「体つきも結構いいし、身長高いし…///」



グフフと目尻を垂らしながら惚気たっぷりに呟く


「廊下を一緒に歩くと女の人からジロジロ睨まれるけど、それって間違いなく嫉妬だよね」


優越感に浸りながらクックックッと鼻高々と笑ってみる

周りも羨む人と一緒にいられるんだもん
私って結構幸せ者だったりとか?////


ヒャッヒャッヒャッと不敵な笑みを浮かべながら掃除していると
教授のデスク脇にあるてんこ盛りに溢れたゴミ箱が目に入った