「べっ、勉強になります……」


思わず関東のツッコミ王、みむ~ら口調になったことはともかく


私は慌ててメモ帳とペンを取り出し
驚き冷めやらぬ状態のまま思うがままにペンを走らせました



――って私が知りたいのはそれじゃありませんっ!



その時、ガサガサと何が紙袋らしきものを開ける音が聞こえてきました




『……せっかく作ったのに』

パキッ、ボリッボリッ!


何かを割って食べてる音……


『教授っていっつもぐだらない実験ばっかして、本当か嘘なのかわからない反応ばっかして、中村さんに餌あげることいっつも忘れてるくせに』

「……」



水戸緑門見ながら私への愚痴ですか

健全なる高一女子がする事じゃありませんね……



まさかの展開に盗聴を終了しようとヘッドホンを外そうとした時
一号が再びボソボソと何かを呟きました



『……教授が甘いもの嫌いなら、作らなきゃよかった。せっかく初めてだったのにな。こんなのもういらないっ!!』


ちょょょっと待てぇえええ!!


――バタンっ!

「えっ!?」



いきなり家の扉が開き、驚いた様子で一号が振り返る

そこにはハァ…ハァ…と息を切らした私が立っていました