私は水無月愁

今年で俗に言うアラウンドサーティの三十歳(しかし気持ち的には永遠の十六歳です)



都内近郊にある世界で二番に有名な大学院、世界大学院で教授として日々研究と実験、講義に追われています







ボンッ!

ガラスのビーカーから小さな黒煙と共に爆発音



「教授っ!頭が芸人のコントみたいにチリチリの爆発ボンバーになってますよ!!」


その音に驚愕し、慌てて私の元に駆け寄ってきたのは


私の忠実なるシモベ…、あ、間違えました

私の最愛なる玩具…、ん?これも違うな



あ、はいはい、そうでしたね

私の欲望を全て満たしてくれる、人体実験用サンプル!

秋葉繭こと、一号です!!



「……」

「あああ!眼鏡のレンズまで真っ黒焦げだぁああ」



実験に失敗し思わず無表情になる私を
一号が素早く助けてくれます


「シブヤ三十グラムとタカダノババ〇、二三グラムの分量を間違えたようです…。勉強になります」

「あー!教授っ!お昼の顔と呼ばれ、その生放送の記録がギネスに認定されている某有名司会者みたいなサングラス状態で文字を書いたらダメですよぉおーっ!」


一号の注意を聞き流し
目の前が真っ暗のまま無心でスラスラとペンを走らせた私