お待ちと一言添えて、熱いお茶を出すおじさん
私はそれをズズッと一口飲んで、頼んだ大根に箸をつけた
今日は教授が用事があったためバイトはお休み
研究室以外でバッタリ会うのは何だかこっぱずかしい
「一号、先日の子供孕んで発言ですが」
「――ゴホ、ゴホッ!!」
忘れかけていた事を再び掘り返され、思わず喉に大根が詰まる
「は、はい////」
心配されたおじさんから水をもらい、一息ついてから返事した
「あれはなかったことにしてください」
――え?
教授の口から出た意外な発言に思わず箸を止まる
「一号にはまだそういう事早いですし、ね」
その横顔は気持ち寂しそう
「いや、あ、あの――」
「変な事を言ってすみません。やはりそういう事は好きな人とすべきですし」
私の言葉を遮るように教授が話を続ける
――何で、そんな事言うの?
まるで突き放されたような口ぶりだ
そ、そりゃ初めてのエッチは好きな人としたいけど、でも……
教授ならいいかな
って内心思ってたのに
「……わかりました。じゃ、忘れますね!」
私の精一杯の作り笑い
でも心の中で
なぜか涙が一つ零れ落ちた
