「あざーす!」
教授のくだらないムダ知識をマスターと語り合った私は店を後にした
ビュウウウと冷たい北風が私の体を通り過ぎていき
私は小さく身震いしながら家路へ向かう
暫く歩き、街の眩しいネオンが無くなった閑静な住宅街を歩いていると
“おでん”と書かれ赤提灯が風で揺れ、暗闇にポツンと明るい光が照らされている屋台があった
「いい匂いだぁ」
室スペを食べたばかりなのに
このおでんのサッパリとした、なおかつ旨味が凝縮された匂いに思わず足が屋台の方へ……
「おじさん、熱燗一本」
木の板を貼っただけのみすぼらしい長椅子に座る先客
しかし私は何も考えず、屋台の暖簾をくぐり……
「おじさん、私に大根をひと…ぉおおおおおい!!」
早速品を頼もうとすると
チラッと視界に入ってきた客人に思わず驚愕してしまった
「教授!/////」
「おや、一号ではないですか」
「あんれぇ?お二人さん知り合いけ?」
教授の姿を見た私とキョトン顔の教授を見て
東北なまりのおじさんが笑いながら呟いた
