シュウ教授の怪しい研究室


時間は昼の一時



三が日が終わり、一月初めての日曜日だけあって

地元から離れにある神社はたくさんの人間で賑わっていた



「凄い人ですね」

「私達同様初詣が目的なのでしょう」



本堂に参道にはたくさんの出店が出ていて

焼きそばやフランクフルトなど焼きたての香ばしい香りが辺りを包んでいた




狭い参道入り口から激しい混みに

少し気合いを入れて教授と共に歩き出す



「迷子にならないで下さいね」



と行く前に釘を刺されたその一分後……



「教授ー!?」


まんまと人の流れに追いやられ
教授とはぐれてしまった


チビな私の視界には見ず知らずの人間しか飛び込んでこない


足を止め背伸びしようとしても

本堂へ向かう人々の力によって流れを止めることすらできない




「教授ーーっ!!」


そう叫んでも周りの雑音で簡単に消されてしまう



「……」



知らない土地にポツンと一人取り残されたような孤独感が胸を強く締め付けてきた


私を知る人間も

私を助けてくれる人間もいない……



その恐怖と不安が脳裏によぎった瞬間―!