「まぁみんな喜んでくれてよかったじゃないですか」

――って教授達が勝手に盛り上がっただけでしょうが!


とツッコミたくても

さすがにこの胸やけハンパない状態では、そんな気力も元気もない


「でも……」



その時教授が小さくポツリと呟く




「二人でご飯食べるのは楽しいですね。いつも一人なので寂しくて」



鼻をすすりながら少し恥ずかしそうに、はにかんで話す教授の横顔


その表情を見た私の心臓がドキッと大きく鼓動した



――何か…、可愛いかも




私より年上なのにその姿は少年のような笑み


思わず私まで口元が緩んでしまった




「あ、何がおかしい事言いました?」

「いーえっ。何も」



キョトンとした教授に私はクスクス笑いながら返した


いつのまにかあの胸やけが自然と消えていたことも気づかずに




「あ、教授。でも何で安土桃山時代なんですか?」

「ただ響きが好きだから。らしいです」

「……ラーメンと安土桃山時代は全く関係ないんですね」

「そこはあまり触れない方が…」



「ですね」





二人の歩く先に続く満天の星空


オリオン座が今宵も煌々と輝いている