「ふっ双子ーっ!?////」



だだっ広いリビングに響き渡る私の声


吹き抜けの高い天井にはシーリングファン

壁際の大きな窓ガラスからは広大な庭と山々が見える


海外で見るような暖炉からは火がパチパチと燃え上がり、置かれている家具などは全てアンティーク品らしい



「一号、そんな驚かなくても」

「いやいや、教授に兄弟がいるなんて初めて知りましたよ!」

「当たり前でしょう。本来なら墓場まで持っていこうとしていた事実ですから」



ーーどれだけ言いたくなかったのかよっ!!




フカフカで座り心地が素晴らしい牛革の高級ソファーに座って一人テンションが上がる私に

教授は眼鏡を直しながら隣でやれやれと呆れ顔でため息交じりの言葉を返す




「一号って呼ばれてんの?可哀想に」



教授とのやり取りを向かい側にあるソファーに座りながらクスクス笑うのは

教授のお兄さん、水無月翔(みなづきしょう)さん




茶髪のミディアムウェーブでVネックのセーター、ウオッシュ加工されたブラックデニム
首元にネックレス、耳にはピアスという
教授の袴姿とは正反対の格好をしている



いや、袴姿の教授がおかしいのか…?