口からよだれが出そうなのを必死にこらえる為、ゴクッと息を飲んだ



「私に隠し事をするつもりですか……」

「ちょちょっ近い!近いですっっ教授!!//////」



ジリジリと私に近づいてくる教授に
パニック状態になりながらベンチの上を後退りする私


「あんな事やこんな事をした仲なのに……?」


あんな事やこんな事って何だ!?

つーかそんなに意味深に言わなくても
読者様にはもう全て筒抜け――



「繭ーーっ!!」

「うわぁあああっ!!」



突然名前を呼ばれた衝撃でそのままベンチから後ろへ転がり落ちた私に

ジャッジャッ!と砂利道を走る音と共に近寄ってきたのは海翔だった




「大丈夫かよ!?」

「いてて…」

「まーた現れましたね、暴走族」

「族じゃねーし!!」



突如として現れた海翔の登場に

教授の眼鏡がキラリと光り片眉がひょこっと上がった



「たまたまコンビニの帰り道でこっち通ったら見覚えのあるチャリがあったからよ」


心配そうに私を見つめる海翔は
そう言った後教授をギラリと睨んだ



「てめぇ!繭に何しやがった!?」

「ハハハ〜」




夜桜の下はいつになく騒がしかった



だが、その数分後
近所迷惑で警察に通報されることになる事を三人は予測すら出来なかった