シュウ教授の怪しい研究室

教授はフフフと不敵な笑みを浮かべたままガサガサと草木から抜け出して


尻餅をついた私を立たせてそのままベンチに座らせ、自らもその横に腰を下ろした



「今日一日様子がおかしいので後をつけてみたら、まさか家まで待てずに夜桜の下で読むとは……勉強になります」




教授はそう言って眼鏡を指で直すと

頭に刺さっていた枝で地面の砂利にガリガリと何かを書き留めた



「いっいつから後をつけてたんですかっ!?////」

「研究室を出て行く一号の背中にちょー小型発信機をつけて後をつけたのです」



あっ!

言われてみれば帰り際、お疲れ様でしたとか言って
私の背中叩いてたな!!


脳裏によぎった普段はしない行動が教授の言葉で一致した



「私の最強スマートフォン、あいほーん57Sにかなうものはありません」


見るからに怪しい金色のスマホを取り出して画面を指でブラインドタッチ


そして私の帰り道の経路が地図上に表示されたGPS画像をドヤ顔で見せつけてきた


「職権乱用……」

「なんか言いました?」

「いやっ、何も無いです!はい!」