シュウ教授の怪しい研究室

「そんなっ!愁さまにお手を汚させたくありませんわ!」


お茶の用意を始めた教授にソファーから立ち上がり慌てて駆け寄る櫻子




「――きゃっ!」


その反動で近くにいた私は櫻子にぶつかり

そのまま尻餅をついてしまった




「大丈夫ですか、一号」


思わず声を上げた私の言葉に気づいてくれた教授が

準備の手を止めて近づき、そっと寄り添ってくれる




「……」


私に対して優しく接する教授の姿を見て櫻子の表情がムッとなる




「櫻子さん、もう少しおしとやかな振る舞いは出来ませんか?せっかく容姿に傷がつきますよ」

「今日は失礼しますわっ!」



櫻子はぶすくれたままフンと部屋を出て行く


そして嵐が過ぎ去ったように研究室は再び静寂を取り戻した



コケッと中村さんが心配そうに私へ声をかけてくれる


「大丈夫だよ、ありがとう」

へへっと笑って中村さんを優しく撫でる




その時、立ち上がれますか?と教授が心配そうに私に手を差し伸べてくれた


――おうっ/////


私を見下ろすその姿がまるで
おとぎ話に出てくる王子様並みに煌びやかに
そしてまぶしく見えた