四月になって、私も無事高校二年生に


「うぃ〜今年も頼むぜぃ」


そう言って新しくなった教室にいた私に声をかけたのは由香里だ




「今年度もお世話になりますです」

「へいへい、お世話しますです。はい」


冗談言い合いながら頭を下げる私達に近寄ってくる黒い影……!



「おいコラ!」

「――ぐおぅっ!」



背後から腕で首を絞められありえない声が思わず出た


「ちょい面貸せ」



ギラリと鋭い眼孔で私を見下ろすのは学校一の暴れ馬、海翔だ


「由香里ぃぃい〜」

「生きて帰ってこいよ〜」


歩く海翔にそのままズリズリと体こど引きずられ

腕を伸ばし助けを求める私に、由香里が白いハンカチを振りながらハハハと笑って見送った








「つーか、お前まだあのバイトしてんのかよ」



たくさんの生徒で賑わう廊下で
少し声を潜めながら話す海翔



「またそれ?って海翔に関係ないじゃん」

「関係ねーって事ねぇだろうが、よっ!!」

「――いでっ!」



不満げに軽くあしらうと

海翔から頭突きのプレゼント




「とにかく石頭にぐだぐた言われる筋合いないから!」