初恋は夢の中

―― 披露宴前 ――


「ねぇ！そういえば、桃子から何か言われてなかった？」
真理が、バックから紙を出した。


そういえば…
私達も、バックに仕舞っておいた紙を出して見る。


「そうだ！桃子、お式の始まる前に、披露宴はアットホームにしたいから色々手伝ってほしいの…って、言ってなかった？」
真理が、桃子の言葉を思い出す。


「そういえば…。プランナーの人数も限れて、人手がいるとかなんとか…」
夏香は、私と真理の顔を交互に見た。


私達は桃子のくれた紙に、細かく書かれた文字を確認し合った。


私は紙を読みながら、もう一度桃子の、必死なお願いを思い出した。
『一生に一度の結婚式だから、絶体にイイ思い出にしたいのぉ。だから皆にも、ぜひ参加して貰って楽しんでもらいたいのよぉ。って、言ってなぁ…』


「ある意味、もうイイ思い出が出来たのにねぇ…」
真理が、肩をすくめた。


「本当ぅよぉー！私なんて、父親の代わりにバージンロード歩いちゃったんだからねぇ…。自分の、結婚式じゃないのに。」
夏香も、興奮気味に言った。