初恋は夢の中

桃子のお父さんは、思い出した様に、緊張をし出していた。


「ねぇ。桃子のお父さん、歩き方ちょっとヘンじゃない?」
桃子のお父さんと交換した、夏香が戻ってきて私達に言う。


「そう言われれば…」
私達は、桃子のお父さんを一斉に見ていると…

「きゃっ!!」
桃子の悲鳴!

花婿に後一歩の所で、桃子達はバージンロードで転んだのだった。



「あ、イタタ…」
桃子が、起き上がる。

「桃子!だ、大丈夫か?」
駆け寄った誠一さんに、助けられ起き上がる。


「桃子!」
私達も、慌てて駆け寄った。

しかし桃子のお父さんが、まだ動かない…

「お父さん!!」
桃子が叫んだ。


「早く、救急車を呼べ!」
誰が、叫んだ。


そして、たまたま誠一さん知り合いで、医師が出席していた。


「ちょっと、どいて!」
駆け寄った医師は手際よく、仰向けにして意識など確認する。

「先生… お父さんは?」
桃子は、泣きながら聞いた。

「大丈夫です。極度の緊張で、疲れたんでしょう。このまま、寝かせて下さい。」


「えっ…?」


「あぁー!そう言えばお父さん。昨日、緊張して寝れない!って、ずっと起きていたわー。」
桃子のお母さんが、思い出した様に言った。





遠くの方から、救急車のサイレンの音が聞こえてきた…



救急車のサイレンは段々近づき、教会の傍でサイレンが静かに止んだ…