『 ………。』


呆然としていた所に、親戚の叔父さんや叔母さんらがやって来た。

警察から、詳しい事情を説明されたらしい。

そして、叔母さんが警察で言われた事を、私にも話してくれた。



高速道路を走行中だった両親の車が、たまたま事故のため停車をしていたところに、居眠りをしていた大型車の運転手が両親の乗った車に気付くのが遅れ、そのまま突っ込んだという。


両親は、即死だった…。


叔母さんは泣きながら、私の背中を何度も何度も擦ってくれた。


しかし、私は未だに両親が亡くなった実感が湧かなかった…



… だって…
二人とも 寝てるみたいなんだもん…



そして、軽く揺すってみた…
「起きて…。」

『………。』
返事はない…



今度は、もっと強く何度も、何度も、揺すってみた…


「ねぇ!起きてってばぁ!何で、返事してくんないのぉ…!朝、私に『今日は結婚記念日で遅くなるから、何か作って食べてね。』って笑顔で二人で出掛けたじゃない! ねぇ…ってば… 」

… ねぇ、何か言ってよぉ …


もう言葉にはならなかった…


私はグジャグジャになりながら、先生にしがみつき泣き崩れた。



… うそつき …

… 帰って来るって言ったくせに …

… うそつき …

… うそ… つき…


涙は、絶え間なく流れ続けた…