―― サボテンの秘密 ――



ある年の、如月…


卒業を間近にした女子校生が、担任の先生に恋をしました。


女子校生は、この日のバレンタインデーを逃してしまうと、もう二度と先生に会えない気がしました。


一大決心を決めた女子校生は、担任の先生にバレンタインチョコと綺麗な鉢に入ったサボテンとメッセージを添え、そっと担任の先生の机の上に置いて、そのまま帰宅しました。

しかし、帰宅したはずの女子校生は、学校で警備員に発見されました。



女子校生は、眠るように亡くなっていたのです…


事故か自殺か分からないまま、学校の怪談として今も語り継がれています。


女子校生が亡くなった後、担任の先生は責任を感じ、担任を辞めました。


そしてそれ以降も、担任をするコトはありませんでした。

たぶん、これからも…
この先も、ずっと…





少女の恋は、片想いで終わってしまいました…

しかし少女は、先生の幸福せを願い、先生を愛するモノに恋が成就するようにと、見守り続けるコトを決めました…

今も…

遠くから…



少女は、七夕の日に生まれました。

そして少女は、同じ日に生まれ、同じ人を愛した人にだけ、七夕の日に永遠の愛を、誓わせるのです…

少女は私達に、想いを託しながら、永遠に生き続けるのです。


私達の、命が続く限り…


永遠に愛を、見届けるのです…


天使になって…