初恋は夢の中

美加子のお墓参りから、数週間が経った。



お盆も近付き、学校も暫くお休みになり、先生と久し振りにゆっくり過ごす昼下がりの午後…。





私は、観葉植物の手入れをする先生の背中を、ボーッと見つめていた。



すると先生は、作業を中断し振り向いて、私を見た。


そして私に、お盆に先生の実家に行かないか?と言った。





そういえば、先生の親に会ったコトがない…。


先生のお父さんは、3年前に亡くなっている。

お母さんはそこに、一人で暮らしているはず。



何年か前に、一緒に暮らす話になったが、田舎暮らしが長かったお母さんは、都会に馴染めずに帰ったと、先生から聞いていた。




私は、先生のお母さんに会うイイ機会だと思い、ニコッと笑ってイイよ!と頷いた。



先生は、そうか。
と言って嬉しそうにまた、観葉植物の世話を始めた。