初恋は夢の中

私は、ぼんやりと先生を見つめた…




先生はやっと、重い口を開いた。

「み、美加子とは……、その… 他に何か、話したのか？」

「色々と、話した…。でも先生は、さっきの話し信じてくれるの…？」

「信じるも何も…。美和子が知らないはずの事を、言われたら…。信じない訳もいかない。そして何よりも、そのネックレスが、証拠だろうな…。」


これ？
と言って、ネックレスを見た。


「あぁ…。僕が、美加子に結婚の記念に、贈った物だ。そして、美加子が亡くなった時に着けてやって、一緒に火葬をした。だから、この世にはないハズだ…。」

「他に、同じ物かもしれないわ…」

「それはあり得ない…。その宝石（いし）は、美加子が母親の形見として大切にしていた物で、日本に同じ物はない。そして、僕の知り合いのジュエリーデザイナーに頼んで、そのネックレスを作って貰った物だから、この世に同じ物は無いんだよ…。」





私は、絶句した…


美加子は、こんな大切なモノを私に託したのだ…



『美加子さん…、アリガト！ 一生大切にするね！』
心の中で、美加子に語り掛けた…