好きな子が弱さを見せてくれると…
守らなきゃって思う。
守ってあげて…
もっと強くなりたいと思う。
少なくとも…俺はそうなりたかった。
俺のことを支えてくれた灯以上に強くなりたかった。
だけど…その思いはすれ違ってしまった。
ただ…それだけ。
「俺は…今でも…灯のことを好きだよ。あの頃とは…違う気持ちだけど」
あの頃とは違う気持ちでも…
灯を想っているのは今も昔も変わらない。
俺にとって灯は大事な女の子だから。
いっぱい支えてくれた。
励ましてくれた。
傍にいてくれた。
だから…今度は俺が『幼なじみ』として灯を支える。
それくらいの…強さは今の俺にはある気がするから…
「…弱さを見せていい。強がらなくていい。だって…灯は女の子なんだからさ」
「…そういうときだけ、女の子扱いしてくれるんだね」
と、灯はハハッと力なく笑う。
手で隠そうとしていた涙が一瞬見えた気がした。
「…ありがと」
灯の涙を見ても、切なくない。
もう…俺の気持ちは動き始めている。
灯じゃなくて…
もう一人の大事な女の子のほうに…
俺のことを待ってくれている君に…
もうすぐ…ちゃんと気持ちを伝えるから…
君は…笑顔で受け取ってくれるだろうか?
俺のこの想いを…

