「…そんな先輩は嫌いです。でも…大好きなんです。きっと…灯さんもあたしと同じ気持ちなんだと思います」



「…同じ？」



「はい。想いに気付いてくれない…答えてくれない…それでも…好きという気持ちです。嫌いにはなれないから…あたしは待ってます。言いましたよね？先輩への想いは、中途半端ではありません」



凌花はにっこりとほほ笑む。
優柔不断で、気持ちが揺らいでしまっている俺に。
きっと…俺にとって、どっちも大切な存在なんだ。



ずっと傍にいて、俺を支えてくれた灯
同じ悲しみを持ち、真っ直ぐな想いを伝える凌花
俺にとってはどっちも大切で、手放したくないと思っている。



どっちも選べないなんて言えない。
どちらか選ばないといけないんだ。



「ちゃんと…気持出すから。それまで待っててくれるか？」



「…はい。いつまでも待ってます。もう…先輩しか見えませんから」



そう言って凌花はにっこりとほほ笑んだ。