「それって…OKっていうこと?」
「…嬉しくないんですか?」
頬杖をつき、彼女は俺を見つめる。
俺が言い始めたことなのに…こんなに鼓動が速くなる。
きっと今、胸に手を当てたらその速過ぎる鼓動に不安を覚えただろう。
「…凌花は…それでいいのか?」
俺の声が震える。
彼女は全く笑顔を崩さずに言った。
「…断る理由なんてありませんから」
その無垢な笑顔に胸に棘が刺さる。
俺は…彼女を利用しようとしている。
利用するために…告白した。
好きでもない君に。
だけど…君はそれに気付かず、真っ直ぐな笑顔を俺に向けている。
心苦しい。
だけど…今更冗談なんて言えない。
実際…俺にも分からないんだ。
この胸の奥に芽生え始めた気持ちを…

