無意識で俺の中のヒロインは 有栖だと思っていた。 「私、ずる賢いから 遠藤くんの小説を添削するふりをして 続きはどうなるのか楽しみにしてるの」 「…小説を楽しみにしてくれるのは 嬉しいよ」 有栖はカランカランと 足で音を立てる。