屋上に来たはいいものの 沈黙が流れる。 それは杉並の時とは違って 放って置かれたような沈黙。 菅野はこっちの存在なんて まるで無視するように 空を眺めている。 普段、屋上なんて 来やしない俺は ここでも邪魔者のようが 気がして退散しようと思っていた。 「この前はごめんね」 ドアのほうへ向かおうとしたとき 菅野がぽつりと言った。