複数の足音が私に近づいてくる。

その音と私の足音しかない事から、さっきの言葉が私に向けられたモノだと理解した。

歩みを止め、後ろに振り向くと、そこには三人の男子がいた。

「俺たちのこと、覚えてる?」

一番手前の気の良さそうな人が言った。

「すみません」

そう言ってしまった。

声も顔も雰囲気も、どこか知ったように思えたのに、思い出す事ができない。

「そっか、そうだよね…」

「んなモン、当たり前だろ。何年前の事かわかってんのか?」