みいちゃんのお陰でなんとか晃一さんを待たせる事はなさそうだ。良かった・・・


私は時計を見ながら歩く。いつもの道じゃないから少し変な感じだ。


ふと思った。私の帰る所はもう天使園じゃなくて晃一さんの住むあのマンションなんだ。私は本当に晃一さんの奥さんなんだって。

・・・まだ少し弥生さんの事が気になるけど。


「・・・こーいちさん・・・」


なんだか寂しくなってしまった。私は一旦立ち止まって俯いた。そして、晃一さんの名前を呟いた。すると


「なあに?百合ちゃん」


晃一さんの声がした。