「百合ちゃん百合ちゃん、園長先生が呼んでるわよ!園長室に来てほしいって。」

「園長先生が?分かりました。今行きます・・・」


学校が休みの日曜日。園の庭でチビちゃん達と砂遊びをしていたら洗濯物を抱えた先生にそう言われ、私は砂のお城を作る事に夢中になっているチビちゃん達に声をかけ建物の中に入った。


特に叱られるような事も褒められるような事もしていない私は何故呼び出されたのか不思議に思ったがとりあえず手を洗い園長室まで歩いた。



「あの、園長先生・・・どうかなさったんです、か・・・?」

軽くノックをしてからガチャンと園長室の中に入ると部屋の中にはニコニコ顔でソファに座る園長先生と園長先生に向かい合った形でソファに座る皺一つない高そうなスーツを着ている男の人がいた。


「あの・・・?」

「百合ちゃん、こっちにいらっしゃい。」


困惑気味の私に園長先生は自身の隣のソファを指差し私に座るよう言った。私は男の人が誰なのか気になりつつも園長先生に従いソファに座った。