佳祐はカーテンを開けて窓を開けた
そのま窓枠に寄り掛かってあたしを見つめた


あたしはじっとその行動を目で追っていたからすぐに佳祐と目があった


『雛。これから俺が言うこと 最後まで聞いてくれる?』


佳祐は真剣な顔で でもすごく優しい声で問い掛けてきた


コクン

あたしは黙ったまま頷いた

『本当は ずっと言わないつもりだった 自分の気持ちは。雛が那智を好きなのも 俺は知ってたよ 雛の事ずっと見てたから』

『………』

『雛の変化にもすぐわかった。だから雛に話かけたのも 俺にとっては必然だったんだ。』


佳祐に聞きたい事が沢山あるはずなのに あたしは何も言えないまま 佳祐を見つめていた
佳祐はゆっくりとあたしの前まで来て 微笑んだ


『雛?俺 雛が好きだよ。』

『………』

ギュッ

その瞬間 あたしは佳祐に抱きしめられていた

『何で泣いてんの?』

『え?』

顔に手を当てようとしたけど 佳祐に抱きしめられていて出来なかった
だけど代わりに佳祐の大きな手が あたしの涙を拭ってくれた


涙を拭かれる感覚が伝わってきて『あたし泣いてたんだ』マヌケながらそんなことを思っていた


悲しいんじゃない


きっと…佳祐の気持ちが…温もりが…あまりにも伝わりすぎたから…


そしてまた佳祐はあたしを抱きしめた

『返事が欲しいわけじゃないから 雛を困らせるつもりもない ただ伝えたくなったんだ…雛?これからが本題』


え?あたしが顔を上げたと同時に佳祐の体があたしから離れた