『雛〜!お昼食べよう!』

舞ちゃんがお弁当を持ってあたしの机に来た


『うん!あ。ちょっとトイレ行ってくるね』


『あいよん!いってらっさゃいな☆』



女の子二日目って あたし酷いんだよなぁ…
腰を摩りながらトイレから出ようとすると 誰かの話し声が聞こえた


『あ〜。雛って子だっけ?』


え?あたし?
思わずドアノブを引く手を止める


『そー。那智がやたら可愛がってるみたいでさー。
まー那智は妹みたいなもんだって言ってるんだけど』

え…


『彼女としてはやっぱ他の子とはあんまり仲良くしてんの見るのは…ムカつく』

え…てことは那智の彼女?

『ま〜 でも那智君は花奈一筋じゃん! 那智君浮気できるタイプじゃないしさー てか雛って子はま〜可愛いと思うけど花奈と正反対じゃん?
ありえないよ!』


バタンっ


トイレから出て行く音が聞こえる


ありえない…か…
妹…かぁ…


そんなの…わかってるよ…

叶わないってわかってる
だけどこんな形で 思い知らされるなんて


足に力が入らなくなって あたしはその場にうずくまったまま しばらく動けなかった