チラっとあたしの方を見て 那智はまた二人組を見て

『誰?俺の連れ泣かせてるの』


『い…いや…す…すみませんでした!』

二人組は慌てて走っていっちゃった

『雛…大丈夫?ごめんな?』

さっきの声とは全然違っていつもの優しい声で
心配そうにあたしを見た

『何で那智が謝るの?
あ!那智ありがとう!』

あたしは手首を摩りながら笑顔で那智にお礼を言った

『いや 俺が遅れちゃったから…手首大丈夫か?あかくなってる』

那智がそっとあたしの右手首を持った

トクン

あたしの心が一気に高鳴る
『だ…大丈夫』

想いが溢れて それだけ言うのがやっとだった

『そか?じゃー行くか!』
いつもの優しい笑顔…

那智…那智

好きだよ…